サーフィンの歴史とサーフボードに込められた想い


ハワイで有名なスポーツといえばサーフィン。
世界一の波が押し寄せて来ると言われるノースショアは、各国の有名サーファーが集まるまさにサーフィン天国です。

そのサーフィンで使われるサーフボードは、ハワイアンジュエリーで最も人気のあるモチーフの一つと言えるでしょう。
スタイルも文化もクールなサーフィンは現代のスポーツのようなイメージがありますが、実は長い歴史があるのをご存知ですか。

今回は、サーフィンの歴史と、サーフボードのモチーフに込められた想いについて探っていきましょう。

古代のサーフィンの記録

ハワイ諸島に人が初めて到達したのは4世紀から8世紀にかけてのころ。

双胴のカヌーとスターナビゲーション航法(天体観測や風向きなどで現在位置や方向を知る)を使い、ポリネシアの人々が世界中のどの大陸からも一番遠いハワイ諸島にたどり着きました。

漁をして暮らしを始めたポリネシアの人々は、やがてカヌーが後ろから押された波に乗ることを知り、そして板で波に乗れば、最短で沖から戻って来ることが出来ると分かります。

ハワイの古代の人々は文字を持ちませんでしたが、カヌーやカヌーのパドルも持つ人、そしてサーフボードに乗る人の姿などを、ペトログリフ(岩面彫刻)に残しました。

彼らの暮らしに密着し信仰された鳥やウミガメ、生活に欠かせないカヌーなどと共に描き残されていることから推測すると、板で波に乗る行為は当時から非常に大切な習慣だったことがうかがえます。

白人たちによるサーフィンの記録

キャプテンクックがハワイ諸島を発見した18世紀、白人たちによって波乗りをする先住民の姿が記録されています。

ほとんどの西洋人たちが泳ぐことすら出来なかった時代、岩場に叩きつけられる危険を冒してまで波に向かう彼らの姿は、神業の様に映ったに違いありません。

彼らの目には、それが単なる遊びやスポーツには見えなかったと記録されています。

法律で管理され、身分の高い王家の人たち(アリイ)だけが出来るもので、高く荒れた波に乗りその勇気を競い、誰が次のリーダーであるかを決めるという、神聖で政治的な行為だったのです。

さらに、サーフボードを作るという一連の作業も今とは違いました。自然からいただいたどの素材からボードを作るかがとても需要で、そして長さによって身分の高さがわかったといいます。

専門の職人が神との対話により木を選び、切る前にはお祈りをして、きちんと儀式を行わないと伐採すら出来ない。サーフィンにまつわる全てが、神聖な行いであったことがわかります。

サーフィン文化の衰退と復興

長い間ハワイ王家の人々によって継承されてきたサーフィンですが、19世紀の初頭にハワイにやってきた白人の宣教師たちによって、野蛮で危険な行為とみなされ廃れてしまいます。

しかし、ハワイの文化の復興に力を入れたカラカウア大王、そしてサーファーであり水泳のオリンピックチャンピオンにも輝いたデューク・カハナモクの活躍によって、ハワイのビーチにまたサーフィンの人気が戻るのです。

デリューク・カハナモクは、今でも海を、そしてハワイの文化であるサーフィンを愛する私たちを温かく迎えてくれています。そう、ハワイに行ったら誰もが立ち寄るワイキキビーチで、得意のロングボードを背に両手を広げて立つ銅像、彼があの有名なデューク・カハナモクです。

サーフボードに込められた想い

ハワイの文化に重要な意味を持つサーフィン。

そのサーフィンに使われるサーフボードのモチーフの意味は、「辛抱強く幸運を掴む」です。

その意味には、海の上で大きな波が来るのを待ち、何度もチャレンジする姿が重なります。さらに、ハワイにおけるサーフィンの文化について知識を広げると、波を待つ姿だけではなく、サーフィンがたどってきた歴史そのものが反映されているような気がしてなりません。

そして、神聖なる長いボードを使いこなし波に乗る行為は、古代のハワイアンにとっては「勇気の証」。何か新しいことを始める時や、乗り越えたい何かがあるとき、お守りのように身につければきっとあなたの背中を押してくれる存在になるはずです。

 

 

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